皮下(避妊)インプラント

皮下(避妊)インプラントについて

現在、日本で主流の避妊方法は、コンドーム、低用量ピル(OC)、ミレーナ(IUS)などです。女性主体の避妊法の一つとして近年注目を集めているのが「避妊インプラント(皮下インプラント)」です。

皮下(避妊)インプラントは日本の厚生労働省にあたるアメリカ食品医薬品局(FDA)に承認されているほか、世界保健機関(WHO)でもその高い有効性と安全性を認めており、現在100か国以上で使用されています。現在日本ではまだ未承認のものですが、避妊だけでなく、月経困難症や過多月経、PMSにも効果を認めています。

 東京や名古屋他では取り扱っているクリニックが増えてきていますが、静岡県では当院が初導入です。

気になる方はぜひご相談に来てください。

【皮下(避妊)インプラントとは】

避妊インプラントとは、プロゲスチン(黄体ホルモン)を含ませた直径2mm×長さ4cmほどのスティック状の柔らかいプラスチックです。皮下インプラントとも呼ばれ、二の腕の皮下に埋め込むことで約3年間、99%もの高い避妊効果を発揮します。また、月経困難症や過多月経の改善にも役立ちます。

挿入している間は、主成分であるプロゲスチン(黄体ホルモン)が約50μg/日の割合で放出されるため、体内のホルモンバランスが変化し避妊が可能になります。

【特徴】

・避妊(皮下)インプラントは3年間避妊効果あり

・月経痛や月経前症候群(PMS)の改善を期待できる

・今後の妊娠に影響を与えない

・未産婦でも挿入可能

・授乳中でも挿入可能

・ピルを飲むより金銭的にお得

・ミレーナと比較して挿入後の診察も不要で、抜ける心配もなし

【こんな方におすすめ】

・避妊の失敗が心配な方

・毎日の服用が面倒だったり、飲み忘れしやすい方

・仕事や育児で忙しく、定期的に通院できない方

 

【挿入できない方(禁忌)】

現在乳癌(ホルモン感受性腫瘍)に罹患している方

重篤な肝疾患(活動性肝癌など)の方

皮下(避妊)インプラントの仕組み

現在、日本で主流の避妊方法は、コンドーム、低用量ピル(OC)、ミレーナ(IUS)などです。女性主体の避妊法の一つとして近年注目を集めているのが「避妊インプラント(皮下インプラント)」です。

皮下(避妊)インプラントは日本の厚生労働省にあたるアメリカ食品医薬品局(FDA)に承認されているほか、世界保健機関(WHO)でもその高い有効性と安全性を認めており、現在100か国以上で使用されています。現在日本ではまだ未承認のものですが、避妊だけでなく、月経困難症や過多月経、PMSにも効果を認めています。

 東京や名古屋他では取り扱っているクリニックが増えてきていますが、静岡県では当院が初導入です。

気になる方はぜひご相談に来てください。

皮下(避妊)インプラントに含まれるプロゲスチンが体内に放出されると、妊娠を促す黄体形成ホルモン(LH)の分泌が抑制され、上記のような作用が起こります。

排卵が抑制されると、精子が体内に進入した場合も、卵子と融合できないため受精卵が作られません。また、子宮頸部の粘液が増すことで、精子の進入を防ぐ効果も期待できます。

仮に精子が子宮頸部を突破し、卵子と融合して受精卵になったとしても、受精卵のベッドの役割を担う子宮内膜が薄くなっているため、受精卵の着床が成功する確率は大幅に低下します。

多くの避妊方法と同様、妊娠を希望する際にはインプラントを取り出すことによって体内のホルモンバランスが挿入前の状態に戻ります。よって、インプラントの挿入によって不妊になる可能性はありません。

【副作用や注意点】

・月経不順・不正出血・無月経:多くの場合月経不順や不正出血が起こりますが、1/3程度は月経サイクルが落ち着き、無月経になります。

・頭痛・肌荒れ・体重増加:個人差がありますが、身体がホルモンバランスの変化に慣れていくと次第に落ち着きます。

・腕のしこり感や内出血:数日間は挿入部周辺に内出血が発生することがあります。ほとんどの場合、自然とおさまります。

・挿入時期は生理開始5日以内を推奨:排卵前に施術することで次の月経から効果を得やすくなります。

・性感染症予防効果はありません。

・挿入後の激しい運動に注意:避妊インプラント挿入後、挿入部分に強い衝撃や圧迫を加えると、インプラント破損の恐れがございます。スポーツや運動の際には充分ご注意ください。

禁止事項:避妊インプラントが挿入された腕は、予防接種、血圧測定、美容施術(強い圧を加えるマッサージ、脂肪吸引やレーザー治療など)が行えません。また、挿入された腕が医療処置を受ける場合にも、医療スタッフに避妊インプラントの存在を伝えてください。

皮下(避妊)インプラントの挿入と抜去の手順

[皮下(避妊)インプラント挿入の流れ]

    •  
      STEP1
      診察
      避妊(皮下)インプラントについて、効果や副作用、麻酔や挿入方法などについて、くわしくご説明します。ご不安な点がございましたら、些細なことでも遠慮なくご質問ください
    •  
      STEP2
      局所麻酔
      二の腕(インプラント挿入部)を消毒後、注射による局所麻酔を行います。麻酔時には注射針の刺入による一瞬のお痛みを感じます。
    •  
      STEP3
      挿入
      滅菌された使い捨ての専用器具で、挿入を行います。挿入は一瞬で終わり、、局所麻酔が効いているため痛みを感じることはありません。挿入直後は二の腕の内側に注射針の跡が小さく残りますが、時間が経つにつれて徐々に目立たなくなります。また、数時間後や翌日に挿入部周辺に内出血が発生する場合がありますが、こちらも徐々に軽減します。
    •  
      STEP4
      アフターフォロー
      傷口の圧迫、防水テープなどを貼ることで感染を予防し、施術終了です。通院は基本的に不要です。

[皮下(避妊)インプラント抜去の流れ]

    •  
      STEP1
      診察
      皮下(避妊)インプラントが挿入されている部位を確認し、切開する位置を決定します。
    •  
      STEP2
      局所麻酔の注射
      二の腕の切開する部位を中心に消毒をし、注射による局所麻酔を行います。この際、注射針の刺入による一瞬のお痛みを感じます。
    •  
      STEP3
      インプラントの除去
      局所麻酔がしっかり効いているのを確認した後、インプラント挿入部位の皮膚を数ミリ程度メスで切開し、抜去します。抜去時は、局所麻酔が効いているため、お痛みは感じません。
    •  
      STEP4
      アフターケアもしくは継続の希望があれば再挿入
      継続して避妊(皮下)インプラントの使用を希望される場合は、抜去時の切開部もしくは、新しい部位から再度、避妊インプラントを挿入します。再挿入はせず、抜去のみを行う場合には止血処置後、患部に包帯を巻き圧迫します。切開部の傷が塞がるまで保護テープでなどで、刺激を避けるためのケアを行います。

皮下(避妊)インプラントのよくあるご質問

避妊インプラントで生理は来なくなりますか?
避妊インプラントの利用者数が多いイギリスなどでは、挿入した女性の約20%に、月経の停止や過多月経、月経困難症の改善効果が確認されました。しかし、避妊インプラントは月経を止めることを目的として作られていないため、避妊インプラントを挿入しても、通常通り月経が起こる可能性もあります。
避妊インプラントは保険適用ですか?
いいえ。避妊目的でなく、月経困難症や過多月経の治療を目的にした場合でも、保険適用外です。
避妊インプラントの避妊率はどれくらい高いですか?
99%以上の高い避妊効果が3年継続します。インプラントを挿入している女性のうち、妊娠するのは100人に1人未満です。挿入後3年経過後は避妊効果が期待できないため、抜去タイミングを忘れないように、挿入を行った日を記録しておきましょう。抜去タイミングを忘れてしまった際は、インプラントを挿入した医療機関に直接お問い合わせください。
避妊インプラントはいつから効果がありますか?
インプラント挿入のタイミングが月経初日~5日目までのときは、挿入当日から避妊効果があります。それ以外の時期に挿入した場合、すぐに避妊効果が得られないため、挿入から最低7日間はコンドームなど他の避妊法を行う必要があります。
避妊インプラントはどこに入れますか?どれくらい痛いですか?
基本的に、利き腕ではない方の二の腕の皮下に挿入します。局所麻酔注射の際に針の刺入によるの痛みが一瞬生じますが、麻酔が十分効いた状態で挿入するため、挿入時の痛みは感じません。
避妊インプラントは腕以外に挿入できますか?
いいえ、できません。挿入箇所は二の腕のみとなっています。
避妊インプラントは授乳中でも挿入できますか?
産後4週間以上経過していれば、避妊インプラントを挿入できます。インプラント挿入中の授乳が、乳児の成長や発育に悪影響を及ぼすという報告はありません。
他院や海外などで挿入した避妊インプラントも抜去してもらえますか?
はい、可能です。ただし、皮下インプラントが正しい位置に挿入されており、破損などの大きなトラブルが生じていない場合に限ります。診察にてインプラントの挿入位置などを確認させていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。
副作用はどんなものがありますか?
月経不順・頭痛・肌荒れ・体重増加のリスクなど。多くの副作用の原因となるのがホルモンのバランスの乱れ。しかし、これらは一時的なもの。身体がホルモンバランスの変化に慣れるにしたがい軽減していきます。

【未承認医療機器を用いた治療について】

  • 本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
  • 治療に用いる医薬品および医療機器は、医師の判断のもと個人輸入手続きが行われています。
  • 薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
  • 諸外国において、治療に伴う重大な副作用の報告はありません。
  • 万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

料金(税込価格)

診察料初診料3,300円  再診料 1,650円
皮下(避妊)インプラント挿入60,000円
自院抜去15,000円
他院抜去30,000円